📊 GOLD日刊|2026年8月13日(木)

2026年8月12日水曜日

新聞

 

本日の市場テーマ

CPI通過で利上げ期待は後退。それでも金利・ドルは高い——GOLDは「金利低下」だけでは説明できない資金フローへ

8月12日の米7月CPIは、前月比+0.1%、前年比+3.4%。コアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.5%と、市場予想にほぼ一致した。

この結果を受け、CME FedWatchでは9月FOMCでの利上げ確率がデータ発表前の46%から約40%へ低下。市場は「9月利上げの必要性がやや後退した」と判断した。

一方で、米10年債利回りは4.697%、DXYは99.97まで上昇。GOLDは0.92%上昇して$4,407.12、金先物は0.6%高の$4,467.5で終了した。

つまり昨日の市場は、

「利上げ期待低下 → GOLD」

だけではなく、

「利上げ確率低下を確認したうえで、地政学・インフレ・通貨分散を含めてGOLDへ資金を配分」

という動きが確認された。


本日の主役テーマ

GOLDが「ドル高・長期金利高」を吸収したこと

昨日の最大の特徴はここ。

通常、ドル高・米金利高はGOLDにとって資金配分上の逆風になりやすい。

しかし8月12日は、

  • DXY:99.97、+0.17%
  • 米10年債:4.697%、+1.26bp
  • GOLD:$4,407.12、+0.92%
  • 金先物:$4,467.5、+0.6%

となった。

これは、GOLDへの資金が「米金利低下」だけを理由に動いていたわけではないことを示している。

さらに、ホルムズ海峡を巡る米・イラン協議は停滞。イラン側は米国が条件を受け入れない限り海峡を開放しないとの立場を維持している。

金融政策期待+地政学リスク+インフレヘッジ

この3つが同時にGOLDへの資金配分を支えている。


① 東京市場

東京市場では、まずCPI通過後の金利・ドル・GOLDの組み合わせを確認する。

8月12日の米CPIは予想通りで、9月利上げ確率は約40%まで低下した。

しかし米10年債は4.697%、DXYは99.97と、ともに高い水準を維持。

つまり東京時間では、

「利上げ期待は後退したのに、なぜドルと長期金利は弱くならないのか」

が重要になる。

背景には原油価格とホルムズ問題がある。

Brentは$88.98、WTIは$83.27で終了。ホルムズ海峡の正常化が進まなければ、エネルギー価格が今後のインフレ材料として残る可能性がある。

したがって東京時間の資金フローは、

CPIによる利上げ後退

原油によるインフレ警戒

の綱引きを消化する段階。


② 欧州市場

欧州市場では、CPIによる金融政策期待の変化と同時に、中東からエネルギー市場への資金波及が続いている。

8月12日のSTOXX600は0.16%下落した一方、米国株はS&P500が+0.26%、NASDAQが+0.54%。世界株指数も+0.34%となった。

つまり市場全体は全面的なリスクオフではない。

一方、原油はBrent $88.98、WTI $83.27まで上昇。

さらにIEAは2026年の世界原油供給が前年比430万バレル/日減少し、需要を127万バレル/日下回るとの見通しを示した。

欧州時間では、

株式への資金

エネルギーへの資金

GOLDへの資金

がそれぞれ異なる理由で動いている。

GOLDを単純な「株式の逃避先」と見る局面ではない。


③ NY市場

NY市場ではCPI通過によってFRBの9月利上げ観測が後退。

FedWatchでは9月利上げ確率が約40%まで低下し、1週間前の55%から大きく低下した。

その結果、GOLDは一時2か月超ぶりの高値を更新。

スポットGOLDは一時1%以上上昇し、$4,406.64付近まで上昇。最終的に$4,407.12で終了した。

一方で、株式市場も、

S&P500:+0.26%
NASDAQ:+0.54%

と上昇。

ここから確認できるのは、

「リスク資産からGOLDへの全面退避」ではない

ということ。

市場全体の資金量が縮小したというより、

利上げリスクの低下を受け、株式・GOLDなど複数の資産へ資金を配分する環境

になっている。


④ ETF・GLD・COMEX

■ ETF

最新のWorld Gold Council公開データでは、6月末の世界の金ETF保有量は4,047トン

6月単月では89億ドルの流出だったものの、2026年上半期では約80億ドルの純流入を維持。

地域別では、アジアが上半期の流入を主導し、北米は唯一の流出地域となった。

ETFデータは月次・週次更新のため、8月12日時点の世界ETF資金フローについて、信頼できる最新の確定値は確認できず。

最新値確認できず

GLD

SPDR Gold Sharesの公式ページでは、保有金量・NAV等の最新値は掲載されているものの、今回の検索環境では8月12日確定値を取得できず。

GLD保有残高:最新値確認できず
前日比:最新値確認できず


■ COMEX

World Gold Councilの最新確認可能データでは、6月末のCOMEX金ネットロングは538トン

6月にはManaged Moneyのネットロングも増加していた。

ただし、8月11日時点のCFTC週次Managed Money・Open Interestについては、今回の検索で信頼できる最新確定値を取得できず。

最新値確認できず

ここは推測値を使用しない。


⑤ 前日の重要材料

昨日からの変化は3つ。

変化①|CPIが「利上げ再加速」を否定

CPIは前年比3.4%、コア2.5%で市場予想通り。

インフレが再加速するサプライズではなく、9月利上げ確率は約40%まで低下した。

変化②|それでもDXY・10年債は上昇

DXYは99.97、米10年債は4.697%。

つまりGOLDの上昇を「ドル安・金利低下」だけで説明できなくなった。

変化③|ホルムズ問題が再びインフレ経路へ

米・イラン協議は停滞。

船舶への攻撃も報告され、ホルムズ海峡の正常化が進んでいない。原油はBrent約$89まで上昇した。


⑥ 現在の市場環境

現在の市場を資金フローで整理すると、

第1経路

弱い雇用統計

利上げ期待低下

CPIも大きな上振れなし

GOLDへの資金再配分

第2経路

ホルムズ問題

原油高

インフレ警戒

長期金利上昇圧力

GOLDへの逆風

現在はこの2経路が同時に存在している。

ただし8月12日は、第2経路が存在するにもかかわらずGOLDが上昇した。

これが今回の特徴。

GOLDは「金利低下」だけではなく、地政学・通貨・政策不確実性をまとめて吸収する資産として資金を受けている。


⑦ 今日の注目

本日の最大材料:米7月PPI

米7月PPIは本日8月13日、米東部時間8:30に発表予定。日本時間では21:30

現時点ではまだ未公表。BLSの公式スケジュールでも8月13日8:30 ETとなっている。

昨日のCPIで、

9月利上げ期待 ↓

という流れができた。

今日のPPIでは、

企業側の価格圧力

がどうなっているかが確認される。

特に機関マネーが見るのは、

PPI

FRB利上げ期待

米2年・10年債

DXY

GOLDへの資金配分

という連鎖。

さらに今回は、

PPI+原油+ホルムズ

をセットで見る必要がある。


⑧ スマートマネー判定

🟢 GOLD資金優勢

ただし「全面的なGOLD買い」ではない。

昨日の市場では、

CPI予想通り

9月利上げ確率低下

GOLD上昇

という明確な資金経路が確認された。

さらにGOLDはDXY99.97、米10年債4.697%という環境でも上昇した。

これは、短期資金がGOLDを単なる「金利低下トレード」ではなく、

金融政策リスク+地政学リスク+インフレヘッジ

として扱っている可能性を示す。

ただし、ホルムズ問題が長期化して原油がさらに上昇すれば、インフレ経由で金利上昇圧力が強まる。

したがって判定は、

「GOLD資金優勢。ただし原油・金利が最大の逆風」


⑨ 今日の機関マネー結論

今回の相場で最も重要なのは、

GOLDが「ドル高+長期金利高」の環境でも資金を集めたこと。

8月7日の雇用統計から、

雇用悪化

利上げ期待低下

という資金フローが形成された。

そして8月12日のCPIは前年比3.4%、コア2.5%で予想通り。

9月利上げ確率は約40%へ低下した。

ここまではGOLDに追い風。

しかし、

DXY:99.97
米10年債:4.697%

と、GOLDにとって通常は逆風となる市場環境も残っている。

それでもGOLDは$4,407.12まで上昇。

つまり現在の機関マネーは、

「利上げリスクの後退」

だけではなく、

「地政学・エネルギー・通貨・政策不確実性への分散」

としてGOLDを評価している。

一方、ホルムズ海峡は依然として正常化しておらず、Brentは約$89。IEAも2026年の供給減少を大幅に見込んでいる。

したがって本日の機関マネー最大の確認ポイントは、

「PPIがGOLDへの資金再配分をさらに支えるのか、それとも原油高と合わせて金利上昇圧力を強めるのか」

ここ。

昨日のCPIではGOLDが勝った。

今日はPPI。

そして市場は、CPI単体ではなく「CPI+PPI+原油+米金利」でFRBの次の一手を再評価する段階に入っている。

なお、中央銀行の長期資金は依然としてGOLDに対して強い。

World Gold Councilの2026年調査では、過去4年間の中央銀行の年間平均金購入量は約1,000トンに達し、89%の準備資産運用担当者が今後12か月で世界の中央銀行の金保有量が増えると予想している。

今日の機関マネー視点

「CPIで利上げリスクは後退した。
しかし原油が上がれば、その資金フローは簡単には一方向にならない。」

今日はPPIと米金利を見る日。



QooQ